1 調査概要
「みんなで立ち向かう《究極の選択》Aug2022」は、皆さんが考える、《究極の選択》を収集し議論します。
コロナ禍を含め、私たちは様々な《究極の選択》に直面します。《究極の選択》の中には、社会的合意が必要なものもありますが、こういった《究極の選択》に直面した時、私たちは茫然としてしまいます。
そこでこの調査は、《究極の選択》に迫られても、茫然とせず、対処できるように、社会に潜む《究極の選択》をあらかじめ摘出し、暫定的な結論を導き出すことを目的とします。それは、次のパンデミックや、その他の非常事態に備える、さらにはAIが我々の代わりに社会決定をなすかもしれない未来に備える、《究極の選択》に対処する社会的意志決定の基礎資料となります。
調査期間は、8月19日(金)から、9月6日(火)ですが、途中参加可能です。
下記に記載する「この調査について」をお読みのうえ、参加を希望される方は下記フォームにて、メールアドレスをお知らせください。(募集は終了しました)

2 この調査について
《究極の選択》研究会(旧称:京都大学《究極の選択》研究ライトユニット)は、合意が難しい社会的難問の研究に取り組んでいます。例えば2020年から続くコロナ禍では、ワクチンの優先順位や、感染防止と経済活動の優先順位のように、葛藤する問題が多発しました。ところが、人々の考えは十人十色であり、社会的合意は、簡単には実現しません。このように、葛藤を引き起こす、社会的合意が困難な《究極の選択》を、私たちは研究しています。
そこでこの調査は、このような選択が迫られても、茫然とせず対処できるように、社会に潜む《究極の選択》を、あらかじめ摘出し、暫定的な結論を導き出すことを目的とします。それは、次のパンデミックその他の非常事態に備える、さらにはAIが我々の代わりに社会決定をなすかもしれない未来に備える、《究極の選択》に対処する社会的意志決定の基礎資料となります
(1) 調査目的と意義
コロナ禍は、人類共通の脅威であり、あらゆる人々が影響を受けた問題です。しかし、コロナ禍は、私たちの生死を左右する問題であるにもかかわらず、それについて私たちが自分たちの意見を表明する機会はほとんどありませんでした。
コロナ禍に限らず、私たちの社会には、このような無数の《究極の選択》が潜んでいます。しかし、無数の《究極の選択》に対して、私たちの社会は、準備ができているわけではありません。まして、《究極の選択》に直面してから考え始めても、よりマシな選択は難しいでしょう。
そこでこの調査は、皆さんが考える《究極の選択》を収集し、顕在化します。そのうえで、《究極の選択》に関する暫定的な結論を導き出します。
その調査結果は、今後、現実に直面する《究極の選択》に対する、社会的合意やマシな選択のための材料となります。
(2)研究の背景
・コロナ禍における混乱
コロナ禍は、多くの難問をもたらしました。医療現場では、誰から治療するべきか、という問題が生じました。あるいは、数に限りのあるワクチンを、誰から接種するべきか、という問題も生じました。あるいは、感染防止のためとはいえ、生活を困窮させるロックダウンを続けるべきかという問題もよく取り上げられてきました。これらに絶対的な正しい回答はありません。そこで、よりマシな選択のために、個々人が考える「正しい選択」の違いや分布を把握する必要があります。
・《究極の選択》の頻発
《究極の選択》は、コロナ禍だけで生じるわけではありません。多くの分野で、《究極の選択》は生じますし、同じような混乱も生じるでしょう。そこで、同様の問題に対処するためにも、このコロナ禍で生じた《究極の選択》に対する人々の考えを把握する必要があります。
・AIの出現
近年、AIの進展が著しく、AIがいずれ社会的決定に関与することも予想されます。パンデミックにおける《究極の選択》についても、いずれAIが人間に助言したり、AI自身が意志決定を下したりすることが予想されます。もちろん、AIは何の材料もなしに無から判断を下すわけではありません。AIは、人間の判断データを機械学習して、そのデータに基づいて判断を下します。ですから、人間の判断データが偏見に満ちていれば、AIの判断は偏見に満ちたものになります。それゆえ、AIが政府の判断をそのまま機械学習した場合、皆さんが不満を感じる対策がそのまま繰り返されるでしょう。そこで、AIのためのデータのあるべき形やより良い収集方法を探求するために、皆さんが考える「正しい選択」を集める必要があります。
(3)調査の方法
この調査では、あなたが考える《究極の選択》を記入し、議論するものです。
D-agreeというシステムに登録し、そのシステム上でコメントやリプライを行っていただきます。なおこのシステムは、京都大学の伊藤孝行先生が開発したAIを搭載しており、AIもファシリテーションを行います。
なお、本調査への参加に対する謝礼はありません。
(4)調査実施期間
調査期間は、8月19日(金)から、9月6日(火)までです。
・8月19日(金)から9月2日(金)24時までの間、D-agreeを使用して、皆さんが考える《究極の選択》を収集します。
・9月3日(土)から9月6日(火)24時までの間、上記で収集した《究極の選択》を設問としてGoogleフォームにて提示し、皆さんの選択を調査します。
(5)調査の参加者
この調査は、国籍・人数・属性等で対象者を限定しません。この調査は、D-agreeならびにGoogleフォームを利用して、関心を持つすべての人が参加できるオープンリサーチで実施します。
(6)参加者の利益と不利益
この調査がただちにみなさまのお役に立つわけではございませんが、調査結果が今後の社会的意志決定の材料となるよう努めます。
謝金はありません。
不参加による不利益はありません。しかしながら、このアンケートに回答することにより、場合によってはコロナ禍等でのつらい出来事を思い出すことがあるかもしれません。途中で参加をとりやめていただいて構いません。
(7)個人情報
この調査は、D-agreeへのログインならびに主催者からの連絡に使用するため、みなさまのメールアドレスを収集しますが、それ以外の個人を特定できる情報は収集いたしません。
(8)参加の自由と同意撤回の自由
D-agreeへの登録をもって、本調査への参加に同意したものとみなします。
本調査への参加同意はいつでも撤回できます。
しかしながら、本調査に参加中に、参加者が送信してしまったデータの削除はできません。
(9) 倫理審査
本調査は、倫理審査を不要と判断し、倫理審査を受けておりません。しかしながら、公序良俗に反する不適切な書き込みについては、削除等の措置を行います。
本調査において、不適切な記述や設問などのご指摘がありましたら、下記の連絡先までご連絡ください。メールにて回答いたします。また他の参加者への情報公開と参考情報として、質問ならびに回答は、ホームページにて公開いたします。(問い合わせた方の情報は公開いたしません。)
《究極の選択》研究会事務局:info@hardestchoice.org
(10) 研究に関する情報公開
本調査の結果、ならびに関連する研究については、ホームページで公開いたします。
《究極の選択》研究会ホームページ:www.hardestchoice.org
(11) 本調査のデータの扱い
本調査の結果は、研究グループの研究に用いるとともに、他の研究者など第三者にデータを提供することがあります。
(12)研究資金と利益相反
本調査は、トヨタ財団からの研究助成を通じて実施いたします。しかし、トヨタ財団は本研究内容そのものに関与しておらず、この研究が資金提供者等の利益や意向に影響されていないこと、本研究を公正かつ適正に実施することをお約束します。
またこの調査で生じたいかなる問題も、資金提供を行うトヨタ財団ではなく、研究実施者に帰することも明言いたします。
(13)研究の実施体制
研究実施責任者:京都大学大学院 文学研究科 研究員 大庭弘継
研究組織:《究極の選択》研究会(https://hardestchoice.org/)
研究資金:公益財団法人トヨタ財団 「社会的意志決定を行うAIの要件―良質なデータセットと望ましいアウトプットの研究(https://toyotafound.secure.force.com/psearch/JoseiDetail?name=D19-ST-0019)
(14)連絡先
《究極の選択》研究会事務局:info@hardestchoice.org